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農業交流ネットワークの日々の活動内容について綴っていきます。


by noko-n

越前国の新たなる挑戦~”地産地消コンビニ”オープンに思う~


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先日、何気なくケータイのニュース配信サービス「iチャネル」を見ていたら、こんな見出しが私の目に飛び込んできた。
  
“地産地消コンビニ”が開店 福井・池田町(2009年9月18日)

過疎化が進行している福井県池田町で、地場産業の支援や地産地消を応援しようと、商工会、JA、町役場が共同で運営するものである。店名は「ゆいマート」で、地元産の農産物や加工品のほか、インスタント食品や生活雑貨なども取り扱う。オープン当日は、地元の主婦たちが長蛇の列を作った。

このような記事である。

 私は、「地産地消」と「コンビニ」は対極に位置するものであり、決して相容れない関係だとさえ思っていた。
「コンビニ」は、まさしく現代社会のグローバリゼーションやボーダーレスエコノミーの最たるものであるからだ。また、ここ数年でよく叫ばれるようになった「食育」についても、「地産地消」の観点から「コンビニ」が槍玉に挙げられることが多いからだ。「コンビニ弁当やカップラーメンばかり食べるとは、ケシカラン。ナントイウコトダ。」といった具合に。
しかし、私はこの記事を読み、新たなる可能性を見出したような気がした。対立するのではなく、お互いの長所を取り入れ、短所は互いにフォローしてゆく、という、「共生」の方向である。

池田町は、岐阜県との県境にある福井県東南部の町で、北陸道の鯖江IC・武生ICからそれぞれ30分という、交通の便に恵まれており、また温泉や能楽の里歴史館もあるため、これまでも町を訪れる人は多かった。
今回の「ゆいマート」オープンで、さらに多くの人がやってくることが期待できる(民主党政権の目玉政策が、高速道路無料化であることも追い風となるだろう)

私が期待しているのはそれだけではない。
地元農産物や加工品を販売できるとなると、それはつまり、地元の農林業者や加工業者にとってみれば、JAでも個人宅配でもない、新たなる販売経路を開拓できることを意味することでもあるのだ。
そのため、地元農林業者や加工業者の勤労意欲向上の効果も期待される。さらに、過疎化が進行しているということは、農林業の後継者も不足しているとみていいだろう。
「新規就農モデル地区」としての役割も同時に期待できるのではないか。

食料自給率がカロリーベースで40%を切り、また毒入りぎょうざ事件や汚染米事件など食の安全が根底から揺さぶられている今、私は「ゆいマート」と池田町の挑戦を今後も見守っていきたいと思っている。

補足:「地産地消」を切り口にこの文章を作成しましたが、おそらく(というか99%)或る人は、「地産地消(笑)」といって、一笑に付す(嘲笑う)のでしょう。

(R/K From KPU) 
by noko-n | 2009-09-21 23:58 | 雑記