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農業交流ネットワークの日々の活動内容について綴っていきます。


by noko-n

「しょっつる」工場見学

こんにちは。
報告が遅くなりましたが、2月24日の「しょっつる工場見学」の報告をします。
メンバーは、森さん(農2)・鶴田(農1)と、他3名(東京農大、農工大、秋田県立大)です。
きっかけは、2月19~23日までの農業交流合宿(秋田県立大主催)の料理中でした。
「つるた君、この‘しょっつる’っていう醤油、うまくない?」
「いやぁ、これは独特ですね。森さん、これうまいっすわぁ。諸井醸造ですって。」
「電話番号書いてあるよ。ちょっと工場見学させてもらおうよ。電話しよっか。」
「あ、いいですねぇ。」
「じゃあ、つるた君がして。」
「えっっ、俺っすかっ」

っという感じで電話してみたところ、
「普段は断わってるけど、今回は特別に30分だけ見せてあげるよ」と言っていただけました。

合宿終了後、郷土料理体験でお世話になった農家さん宅に一泊させていただき、いざ、しょっつる工場へ。

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「しょっつる」とは、「はたはた」から作った「魚醤」のことです。
「魚醤」とは、タイのナンプラーのように、魚を原料に作った醤油です。
「醤油」っというと、普段使っている大豆を原料にした調味料しか思いつきませんが、これはかつては「穀醤」と呼ばれていたそうです。そう、醤油には種類があったのです!!

まぁ、それはさておき、魚醤の一般的な作り方を簡単に紹介します。
魚を塩とともに漬け込み、放置…
すると、魚自身の内臓の消化酵素により発酵がすすみ、魚の体全体が溶け…魚醤の完成です。

諸井醸造では、漁師から直接購入したはたはたを4t樽一杯に詰め、天日塩とともに漬け込み、少なくとも3年間は待ちます。その間、温度などの発酵環境には細心の注意を払うそうですが、他には何もせず、自然の力に任せるそうです。

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今回僕らに説明して下さったのは、諸井醸造社長の諸井秀樹さんでした。
はたはたは秋田県の県魚ですが、一時期乱獲などで、漁獲量がたいへん落ちた時期がありました。
この時、地元の漁師達は、自主的に2年の禁漁をしました。漁師が自主的に禁漁をした事例なんて、世界的に例をみないものです。このように漁師が守ったはたはた。諸井社長は「しょっつる」という伝統調味料を残す使命を強く感じておられました。
しかし、一方で「残す」という消極的な態度では駄目だ、としょっつるを取り込んだ料理を地域に広めたり、スローフード活動に積極的に参加したりしているそうです。
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今回は、30分ということだったにも関わらず、2時間もお話させていただきました。均一商品が全国を支配したらつまらない。この味は是非とも後世に残したい。その価値は十分にある。地域の味を後世へ受け継ぐために力をつくす。
見た目はクールで、心は熱いかっこいい方でした。
僕もこんな熱い心を持った大人になりたいです。


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↑男鹿名物、ゴジラ岩
by noko-n | 2010-03-27 03:40 | 日本全国の農家さん