二回生の石川です。今回は北海道の余市町の木内さんのところに行ってきました。初めて一人での遠方の農家さんの訪問かつネッター初の訪問ということもあり、少し緊張しましたが、自分の考えが変わるような良い経験ができました。
まず、木内さんの紹介から。木内美佳さんは大石先生とともに農交ネットの創立メンバーであり、我々の大先輩であります。三年前に余市町に引っ越し、新規就農し、今は主にプルーンを栽培されています。WWOOFでボランティアを受け入れていて、僕が訪問したときもカナダ人のColeがいました。ちなみに日本人の訪問は僕が初めてだそうです。
北海道ということもあり、とにかく敷地が広いです。
プルーン畑
ブドウ畑も
今はまだ苗木ですが有機栽培で醸造用のリンゴを育てて、将来的にはシードルを作ろうとしているそうです。とにかく広くて景色が良くて清々しい気分になれます。 プルーン農家を引退した方から土地、畑、家を受け継いだそうですが、そのとき山も買ったらしいです。山にはヤマブドウ、ヤマノイモなどがあり歩くと発見が多くありました。
次は作業内容についてです。プルーンの収穫と選果作業を行いました。紫色に熟したおいしそうな実を摘み取ます。そして傷物、S、L、2L、にわけてそれぞれパック詰めしていきます。今年は収穫時期が例年よりかなり早く滞在中にすべての収穫が終了しました。
作業の合間にJAにも連れて行っていただきました。余市はフルーツが有名でプルーン、ブドウ、リンゴ、トマト、ブルーベリー、サクランボなど多くの種類が出荷されていました。
滞在中、いろいろな経験をしてほしいという木内さんのご厚意もあり、他にも二軒の農家さんを訪問することができました。
まず、ワインを作っていらっしゃる木原さん。木原さんは八年前、新規就農され、広大な耕作放棄地をブドウ畑にし、オシャレな家やワイナリーを自らつくってしまうというすごい方です。これらの他にもおいしいキノコが生えるカラマツ林や豚を放牧する予定のドングリの森などがあり、一日中遊べるような家でした。また、こだわりが強く勉強熱心な方で、生き物と人間の関わりについてなど議論ができて勉強になりました。
ブドウは日本で一般的見られる棚仕立てではなく垣根仕立てでした。こうすることで樹勢が抑えられて結実するブドウの房の数が減り、味が凝縮されるそうです。土壌づくりにもこだわっていて、ウニので有名な積丹のウニ殻をまいて石灰分を補っています。
作業は新梢取りを行いました。生長に養分を取られないように、新梢を黙々と切り取りました。
ワイナリーの見学もさせて頂きました。空気の流れや作業性を考慮したワイナリーは異国を思わせるような建物でした。
次に仁木でフルーツを栽培せれている鵜飼さん。鵜飼さんも脱サラして就農した方の一人です。減農薬、有機肥料で育てたさくらんぼ、ブドウ、ブルーベリー、プルーンでジャムやジュースを作り、直売所で販売されてます。価格を自由に決められず、どれだけ労力をかけても値がつかないという理由からJAには出荷せず、直売所と通販のみで販売をされているそうです。
作業はさくらんぼの枝燃やしをしました。高速道路建設のため、立ち退かないといけないらしく、そのためにさくらんぼの木を切って燃やしました。
今回三軒の農家さんを訪問することができ、大変勉強になりました。一人だけの訪問であったということもあり、質問するだけでなく、農業に対する考え方、どう生きていくかなどについて熱く意見を交わすことができ、視野が広がったような気がします。それぞれの農家さんの考え方は違います。しかし余市にはそれを超えて、新規就農者がいれば栽培法を教え、作業が忙しいときは手伝い合うようにそれぞれが協力し合う繋がりの強いネットワークがありました。
最後に訪問に応じてくださった木原さん、鵜飼さん、5日を通して余市でいろいろな経験をさせて下さった木内さんに感謝を伝えたいです。ありがとうございました。
上から木内さん、木原さん、鵜飼さん